Otolog http://cd.201g.net 聴いた音楽を淡々と書き連ね gelato CMS http://cd.201g.net/images/information.png 聴いた音楽を淡々と書き連ね http://cd.201g.net Nik Bartsch's Ronin - Stoa Nik Bärtsch's Ronin - Stoa : ECM 1939

  • Label : ECM
  • Release Date : 2006 Jun, 2
  • Catalog No. : ECM 1939

Nik Bärtsch : piano
Sha : contrabass and bass clarinets
Björn Meyer : bass
Kaspar Rast : drums
Andi Pupato : percussion

Tracklisting :

  1. Modul 36
  2. Modul 35
  3. Modul 32
  4. Modul 33
  1. Modul 38_17

Amazon.co.jpで チェック:Nik Bärtsch's Ronin - Stoa : ECM 1939

「Nik Bartsch’s Ronin – Stoa」 CD全体の感想:

  Nik Bartsch は他にも Nik Bartsch’s Mobile という名のグループでも作品を出していますが、今回の作品は Nik Bartsch’s Ronin によるもの。

 Roninとは流浪の武士を意味する「浪人」のことでしょうか。Stoaというタイトルにも帝政の古代ローマで栄えた、禁欲的な哲学思想であるストア派に対する暗示めいたものを感じます。

 ストア派とは、ご存知「ストイック」という単語の語源にもなっており、このタイトルとストア派哲学の実際の関連性についてはさておき、この作品からは端々で非常にストイックな印象を受けることが出来ます。

 この作品に対する評価に「 Steve Reich のようなミニマリズム」といった趣旨のものを見ることが多いですが、確かに。Reichが好きであればきっと気に入るでしょう。単調さと、それを微妙に崩す要素のせめぎ合いが美しい作品です。

各曲の感想:

 1曲目、Modul 36。緊張感のあるピアノの単音と間の連続。徐々に旋律へと形を変えていき、そこへとうっすらと柔らかくベースが乗っかってきます。6分に差し掛かる頃に初めてドラムが入ってきて、花を添えます。盛り上がると思いきやすぐにトーンダウンしたりして、全体的に抑圧的ですが綺麗な作品です。

 2曲目、Modul 35。こちらは拍の長さがずれたパーカッションと、ピアノとドラムス等の組み合わせが印象的。徐々に移調をしつつ進んでいく展開。後半のフリーなピアノも効いてます。

 3曲目、Modul 32。短調なメロディーが繰り返されてますが、中盤に差し掛かるあたりにクラリネットが静かに加わって、ピアノとドラムの規則正しさにある種の空間的な深みを与えます。

 4曲目、Modul 33。ピアノの独奏からドラム、クラリネット。ご多分に漏れず、この曲も序盤は規則的で単調です。後半からピアノが和音奏へと変わり、また単音奏に戻っていくさまが良いです。

 5曲目、Modul 38 17。アクションスパイ映画のBGMなんて印象のする曲。とはいえやはり規則正しい演奏は続きます。ドラムのリズムから外れ過ぎないピアノのコントラスト差の少ない演奏が作品全体のバランスを保っていますね。

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http://cd.201g.net/Nik-Bartschs-Ronin-Stoa/8 http://cd.201g.net/Nik-Bartschs-Ronin-Stoa/8 Sun, 10 Feb 2008 19:08:37 +0000
Julien Neto - Le Fumeur De Ciel Julien Neto - Le Fumeur de Ciel : Type 006

  • Label : Type
  • Release Date : 2005 Jun, 27
  • Catalog No. : Type 006

Julien Neto : composer
RJ Valeo : mastering engineer

Tracklisting :

  1. I (One)
  2. Sketch
  3. VI
  4. IV (Keats)
  5. Musicbox
  6. Voy
  7. V (Rivers)
  8. Questionable Things
  9. III
  1. Farewell

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「Julien Neto – Le Fumeur De Ciel」 CD全体の感想:

 フランスの Julien Neto による、Typeというイギリスのインディーズの電子音楽レーベルからの作品。

 ネット上でもTao等の名義で活動していたJulien Netoの音は、いわゆるアンビエント・エレクトロニカ。なんともフランスらしいとも言うべきか、綺麗ながらもなんとなく憂鬱な雰囲気は独特で、惹きつけられるものがあります。どちらかというと退屈な展開なのですが、BGM等としてかけるには申し分ないでしょう。(BGMにしては憂鬱すぎるかもしれませんが…)

 最近では、ドローンやアンビエントを乱発して、独特なポジションを獲得しているType。その初期のリリースのひとつがこの作品ですが、この頃から既に明確なイメージが打ち出されていました。

各曲の感想:

 1曲目、I (One)は、アルバム全体を聴いた後に聴き返してみると分かりますが、入りやすい導入。比較的分かりやすい展開で流れていきます。続くSketchはシンセの連続音と、ハープのような音の絡みが非常に美しく、アルバム前半のハイライトになっています。3曲目は、 GoldmundHelioce(Helios) 名義でも知られる Keith Kenniff によるピアノサンプリングとグリッチで静かなビートが特徴的なトラック。これぞJulien Neto節です。

 IV(Keats)、Musicboxと続き、凄く退屈ですが気持ちの良いアンビエントの6曲目のVoy、7曲目V(Rivers)、8曲目Questionable Things。そして再び Keith Kenniff のピアノが散りばめられた9曲目、III。こちらは3曲目とは違いドローン寄りですが、エフェクタがかかった音色とピアノの絡みが絶品。

 10曲目、FarewellもJulien Netoらしいかなり控えめなグリッチビートとアンビエンスの組み合せ。グリッチサウンドが苦手でも、彼のグリッチは難なく聴けてしまう程あっさりしています。

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http://cd.201g.net/Julien-Neto-Le-Fumeur-De-Ciel/7 http://cd.201g.net/Julien-Neto-Le-Fumeur-De-Ciel/7 Sat, 02 Feb 2008 00:36:27 +0000
John Wall - Alterstill John Wall - Alterstill : UtterPsalm CD2

  • Label : UtterPsalm
  • Release Date : 1995
  • Catalog No. : UtterPsalm CD2

John Wall : composer, guiter
Denis Blackham : mastering engineer
Samples from the following artists were used : Back Door, Carcass, Ry Cooder, Paul Dolden, Thierry De Mey, Max Eastley, Hyla Willis, Morton Feldman, Richard Karpen, Bernard Parmegiani, Naked City, Arvo Pärt, David Toop, Giacinto Scelsi, This Heat, Hans Reichel, Einstürzende Neubauten, John Zorn, John Cage, Kevin Volans, Krzysztof Penderecki, Kenny Wheeler, György Ligeti, Olivier Messiaen, Andrzej Durek Durer, Anton Webern, Thelonious Monk.

Tracklisting :

  1. Fragmenta
  2. Alterstill (Nothing Is Sacred)
  3. Belief Not
  4. Stunde Null (I)
  1. Stunde Null (II)

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「John Wall – Alterstill」 CD全体の感想:

 まず、 現代音楽と電子音楽の双方が好きな人にしか、受けない であろうということを最初に留意頂きたいです。恐らくJohn Wallの作品を聴くにあたって、この前提条件があるがためにリスナーの総数が相当少ないことが想像されます。

 ではこのJohn Wallとはどういったアーティストなのか?

 資料に乏しいので、詳細にわたって語ることは出来ないのですが、上記のサンプリングのネタ元を見ていただければ分かるように、現代音楽をサンプリングして電子的に再構築している、というのが彼の最たる特徴です。

  John CageMorton Feldman にはじまり、果てはハードロックやメタル的な音までごった煮にしてしまうという手法には、節操の無さを感じてしまいますが、実際に聴いてみると非常に上手くブレンドされている。「ここまでくるとサンプリングとはなんぞや?と考えてしまう」とどこかでレビューされていましたが、あまりにも突き抜けすぎていて、サンプリングという手法が芸術的なまでなレベルまで昇華してしまってる感もあります。

 John Wallを聴いたことのある人にしかわからないような彼の音は、例えば György LigetiIannis Xenakis のトーン・クラスター的手法(のサンプリング)を使って圧倒的な轟音を作っているかと思いきや、それにコーラス(聖歌?)の流麗な音を重ねていたりすると書けば、その一端はイメージできるかもしれません。

 兎に角凄いです。

各曲の感想:

 1曲目、Fragmenta。いきなり圧倒されてしまいます。弦楽器の単調な繰り返しに、ウッドベース、そしてノイズとして知覚され得ないようなオーケストラのクラスター。

 やはり良い曲は2曲目にきます。AlterStill (Nothing is Sacred)。手法や大まかな展開は1曲目と殆ど同じです。徐々に展開されていくノイジーな音。最初はピアノの不協和音が響き渡りますが、それがやがてオーケストラのアンサンブルに移り、最終的にはコーラスが乗っかってきます。
しかしながら、不協和音が鳴り終えたあとの序盤の単調なピアノと、それに続く電子音、そして再び不協和音で構築されているオーケストラに続く構成やコーラスのサンプリングセンスはかなり秀逸。

 3曲目、Belief Not。いきなり Meredith Monk の歌声に驚いてしまいますが、 Steve Reich (?)のサンプリングとの相性が意外に宜しい。

 4曲目のStunde Null (I)も強烈。ディストーションが効いたギターを詰め込んでしまってるあたりは脱帽。続くStunde Null (II)はタイトルに前曲との繋がりはありつつも、全く別の雰囲気の曲。静かで空間的なパーカッションとピアノのかったるいコンビネーションが主軸になりつつ、ラッパ系の管楽器等が静かに挿入されてきて、単純に美しく仕上がってます。

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http://cd.201g.net/John-Wall-Alterstill/6 http://cd.201g.net/John-Wall-Alterstill/6 Fri, 01 Feb 2008 10:10:08 +0000
Paul Giger - Ignis Paul Giger - Ignis : ECM 1681

  • Label : ECM New Series
  • Release Date : 2000 Jun, 5
  • Catalog No. : ECM 1681

Paul Giger : violin, violono d’amore
Marius Ungureanu : viola
Beat Schneider : cello
Estonian Philharmonic Chamber Choir
Tõnu Kaljuste : conductor

Tracklisting :

  1. Organum
  2. Karma Shadub
  3. Tropus
  4. Alleluja
  1. O Ignis

Amazon.co.jpで チェック:Paul Giger - Ignis : ECM 1681

「Paul Giger – Ignis」 CD全体の感想:

 ECM New Seriesの中でも、特にお気に入りのアーティストが、この Paul Giger / パウル・ギーガー 。ヴァイオリニストで、スイス生まれ。実は音楽を学ぶ以前には、旅の大道芸人をやっていたという非常に珍しい前歴の持ち主。

 彼の作品は聴く人によっては「単調」という印象をもたれてしまったりもしますが、彼の音楽はその「単調さ」にこそ特徴付けられているとも言えます。ミニマルで、アンビエントで、ある意味ドローンミュージックとも通じる、その音の微妙な移り変わりや、音と音の合間に垣間見える美しさを感じることが出来れば、彼の音に酔いしれることになるでしょう。

 他のCDではバッハとかを演奏していたりしますが、このアルバムでは、 Organum / オルガヌム や、古代ローマ以降初の女性の作曲家であり、中世ヨーロッパ最大の賢女とも称される Hildegarde von Bingen / ヒルデガルト・フォン・ビンゲンSt.Gallen / ザンクトガレン修道院 の僧侶達の古楽などを元ネタにした曲編成。

 Niguliste Churchという教会での録音だそうですが、包み込まれるような音響やアルバム全体を通した雰囲気は非常に綺麗で、また、 Tõnu Kaljuste / トヌ・カリユステ が率いる、世界一美しい響きを持つ合唱団、 Estonian Philharmonic Chamber Choir / エストニア・フィルハーモニック室内合唱団 との演奏も素晴らしい作品。ECM New Seriesや現代音楽が好きな方は必聴に値するCDだと思います。

各曲の感想:

 1曲目、Organum。同じ名称の中世ヨーロッパで流行した合唱技法がネタです。とは言え、合唱は殆どなし。合唱曲を別の楽器で演奏するというのはPaul Gigerのアルバムでは割と多く見られる気がします。

 個人的にどんなアルバムも2曲目には良い曲が入っていると思うのですが、この作品でも白眉は2曲目、Karma Shadub。イントロから、祈りのような読経のようなドローンな合唱が、10分あまり続きます。変化の乏しい中にも徐々に後半への布石となる盛り上がりを見せていくのですが、11分前後から唐突にその静かな流れから浮き上がってくるようなコーラスと、弦楽器との絡み合いが非常に美しい作品。悲壮感すら漂う音に圧倒されます。

 3曲目、Tropusは前曲との構成は逆に、弦楽器から入って、コーラスへと変遷していきます。アルバム全体を通して言えることたと思いますが、古楽のアレンジということで、メロディー等上手くネタ元を残している印象。この曲も後半の盛り上がりが良いですね。

 なんとも爽やかな印象の4曲目、Allelujaへと続き、表題曲の5曲目、O Ignis。前述のHildegarde von Bingenによる楽曲が元ネタだと思われます。これまた美しくも悲しい印象の作品。途中に入ってくるヒステリックなバイオリンの響きやコーラスにはっとさせられます。全体的に曇り。途中雲の間から光が射すような展開がありながらも、すぐにまた分厚い雲にその光を遮られます。でも、そこが良い。

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http://cd.201g.net/Paul-Giger-Ignis/5 http://cd.201g.net/Paul-Giger-Ignis/5 Fri, 18 Jan 2008 00:32:14 +0000
David Torn - Prezens David Torn - Prezens : ECM1877

  • Label : ECM
  • Release Date : 2007 Apr. 17
  • Catalog No. : ECM1877

David Torn : guitars, live-sampling and manipulation
Tim Berne : alto saxophone
Craig Taborn : fender rhodes, hammond b3, mellotron, bent circuits
Tom Rainey : drums
Matt Chamberlain : drums

Tracklisting :

  1. Ak
  2. Rest & Unrest
  3. Structural Functions of Prezens
  4. Bulbs
  5. Them Buried Standing
  6. Sink
  7. Neck-Deep in The Harrow…
  8. Ever More Other
  9. Ring for Endless Travel
  10. Miss Place, The Mist…
  1. Transmit Regardless

Amazon.co.jpで チェック:David Torn - Prezens : ECM1877

「David Torn – Prezens」 CD全体の感想:

 最近はECMでもコンピュータプロセッシングによる音響効果を使った作品が増えてきましたが、ギタリストの David Torn / デヴィッド・トーン によるこの作品も、全編にそういった音が散りばめられています。

 いわゆるECMらしい透明感のある音質というよりは、David Tornのサウンドが全面に押し出た印象となっています。また、「電子音楽」という側面が強いように思われますので、そこが人によっては好き嫌いが分かれるポイントになりそうです。

各曲の感想:

 渋めに始まりつつも、サックスとディストーションのかかったギターで徐々に盛り上がっていく1曲目、Ak。エフェクトで不思議な印象になった声やギターとゆるい曲調が特徴的な2曲目、前衛的な3、4曲目へと続いて、ギターとパーカッション、ピアノで美しくもちょっとバカっぽく仕上がった、多重録音の5曲目、Them Buried Standing。

 かなり自由にギターを歪ませ、重ねて遊んでいる6曲目の後は、これまた前衛というかフリーな7曲目、Neck-Deep in The Harrow…。この曲は後半でアンビエント的な音に移ろっていく過程が綺麗。
アブストラクトでまったりとした印象の8曲目、Ever More Otherに続いて、9曲目。
 この曲はオーケストラルに始まりつつも、エスニックな雰囲気でかなり格好良くまとまっているキラーチューン、10曲目、Miss Place, The Mist…への見事な布石。

 最後の11曲目、Transmit Regardlessも、ラストを飾るのに相応しい音。前半の静かな感じから電子音響を駆使して盛り上がっていきつつも、サックスやドラムス、ギターの暑苦しいプレイが良い感じ。

オススメです。

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http://cd.201g.net/David-Torn-Prezens/4 http://cd.201g.net/David-Torn-Prezens/4 Wed, 16 Jan 2008 11:13:59 +0000